広報のお仕事について

いつも、Arithmer Blogをお読みいただき、ありがとうございます。

Arithmer広報室の鈴木です。今月のBlogは私が担当します。

さて、早速ですが「広報」という仕事、どのようなイメージを持っていますか?

テレビなどのメディアに出て、インタビューを受ける…という華やかなイメージが強いのではないでしょうか。秘書とともに社長について回り、メディアとの間に入っていろいろと調整…など、花形の仕事で「なりたくてもなれない職種」とも言われることがあります。

しかしながら、そのような華やかな仕事はごくわずかで、基本的な日常業務はかなり地味なものが多いのが現状です。また、意外と「広報になりたくて」というよりも、定期人事異動などで広報担当になってから、その仕事の面白さや奥深さを知り、広報でい続けたいという人が多いのも事実です。

広報の業務は大きく3つに分けられます。

「社外広報(リリースの発信やメディア対応)」

「社内広報(社内報など作ったりする)」

「危機管理広報(会社に絡む事件や問題が発生した時の対応)」です。

今回お話しするのは、「社内広報」で、その中でも日常業務として行い、私が特に重要視している「新聞読み」についてです。

「新聞読み」は、そのままですが、毎日発行されている新聞を読み、昨日から今朝にかけて、世の中で起きた記事をピックアップし、必要に応じて情報を共有することです。

めちゃめちゃ地味ですし、誰にでもできそうな仕事です。

しかも、情報なんて、インターネットであふれかえるほどあるのだから、今更新聞なんて。というご意見、ごもっともだと思います。確かに、最新の、鮮度の高い情報はインターネットから仕入れるのが一番で、勝るものはありません。情報収集という点は欠かせない存在です。

では、なぜ朝から新聞を読むことに時間を費やすのか。それにはいくつかの理由があります。

私が新聞を読む際に1番気にしているのは、どの面にどのような記事が載っているかという点です。

特に1面を飾る記事は、社会的に重要である記事がほとんどです。大きな事件や事故、日本・世界を揺るがす大きな動きがあったときは、各社同じ記事が1面を飾ります。

あっ、一部の新聞は独自路線をひた走るところもありますね。(1面がほぼ「阪神タイガース」を掲載する某スポーツ新聞はあまりにも有名)

もちろんインターネットのニュースサイトでも、大きなニュースとなればトップ記事で紹介されますが、見るタイミング(時間)で表示される記事が変わります。また、記事自体や掲載サイトに何らかの不具合があったときは、その情報を見ることはできません。

インターネット上の記事は、情報鮮度が高い反面、他の人と話題を共有したいときに、人によってその情報に触れられないことがあります。新聞であれば「○○新聞のX面の◇◇の記事…」と言えば、新聞を入手するだけでその情報へ触れることは可能です。このアーカイブ性も、新聞の利点の一つです。

また、インターネットの記事は、初見できるのはタイトルだけで、クリックをしないとその先にどのようなことが書かれているのか、どれくらいの情報量(物量的に)があるのかが分かりません。たまにありませんか?記事タイトル15文字、本文30文字だけの記事だったり、タイトルに釣られて見たけれど、中身がかけ離れている記事とか。

新聞であれば、見出しの強弱と見た目での文字数で、どのような情報量があるのかが一目でわかります。

それならば、新聞自体をAIで分析して、記事の重要度ランキングを作成し、ランキングに応じて共有すれば良いのでは?AIの会社なんだし。

なるほど、そういう考え方は一理あります。AIは既出のデータを集約し、過去に学んできたことと照らし合わせて、次を予測する。アルゴリズム的にはおおよそできそうな気がします。

ただ、それだけだと自分たちの設定した記事しか拾えず、全く別の記事は拾うことができません。

それで十分だという見方がほとんどだと思いますが、広報の本領はここから。

全く関係なさそうな記事から、自社ならばどうするか、自分たちの分野に類似の事例があったらどう動くのか。ということを拾い上げ、情報と気付きを共有する、これこそが広報の本領だと考えています。

広報は、発信するだけが仕事ではありません。社会課題をいち早く察知し、その情報を社内へ共有し、組織で解決策を作り上げ、成果物を発信する。

常にできることではありませんが、そのようなことを常に考えながら、今日も紅茶を飲みながら新聞を読んでいます。